いつもは開けない 天井に近い 一番上の窓
風がまったくない日の昼間 開けた窓を そのままにして寝た
朝起きてみたら デスクの上が水浸しになっている
デスク上の ノートパソコンも外付けハードディスクも 水浸し
パソコンを持ち上げると 空冷ファンの窓から水がボタボタ出て来る
夜中にそんな横殴りの雨が降ったんだろうか キツネにつままれたよう
外付けハードディスクにいたっては 上部に風通し穴があるせいか
振っても振っても あとからあとから水が溢れ出てくる
床にも水がたまっているのを見て 雨が窓から吹き込んだ状況がつかめた
パソコン内部に入った雨を 自然乾燥させ 恐る恐るスイッチを入れる
電源ランプが燈り 一度だけ灰色の画面が波打つようにうごめいていたが
・・・ 切れた
それ以降 何度スイッチを入れても パソコンはうごかない
この６年間に ノートパソコンと 外付けハードディスクにコピーした
写真・動画・資料などの記録一切が見られない
なにより 当面パソコンのない生活が 新鮮なショックだった
インターネットを使わない生活には とてもじゃないけど戻れない
スマートフォンでは 画面が小さくて疲れるばかり
ノートパソコン修理のことや 新規購入のことで 頭がいっぱい
近くにある Ｅモールへ 死んだレッツノートを持って行った
３階にパソコン修理専門店が数軒ある
従業員一人だけの店や 店中に埃だらけのパソコン部品が並んでいる店
目が合うと 手招きで 呼び込みをする修理屋 の中から一番小奇麗な店へ
若者ばかり数人の従業員は揃いの店のロゴ入りポロシャツを着ている
雨に濡れて死んでしまったパナソニックを出すと
二十歳前後のお兄さんが
「見てみましょう」
店先でネジというネジを全て外し始めた 解体ショーを隣で見守る私
タイ日立製のハードディスクをツマミ上げて
死んでるかどうか 店のノートパソコンでチェック
これは生きてた
ああ ここですねと言って 基盤の一部がショートしている箇所を示した
「クリーニングして生き返ればＯＫ ダメなら修理不可能です」
「ハードディスク中身は他のパソコンに移せるので 再生可能ですよね」
と念を押す私
「結果はあとで連絡します」
彼に委ねるしかない
３時間後 彼から電話が
「動作チェックするのでパスワードを教えてください」
電話の向こうで レッツノートが動き始めた
店に駆けつけてみると 店先のレッツノート デスクトップ画面が出ている
店に持ち込んでから ４時間で 修理完了
ＳＴＡＴＥＣＨ ＲＥＰＡＩＲ ＳＨＯＰ スタテック修理店
修理代金 １５００ペソ チップ５００ペソを差し上げた
「あっ ３０日間の保証が付きます」
と 領収書に書き込んでくれた
「私のブログに載せるから」
ノートパソコンが水に濡れた時は
数日かけて水分を完全に乾かしてから
スイッチを入れないと ショートする
