サバンの山には山の民が住んでいて 時々下界に降りて来る
貧しい身なりと背が小さいので すぐわかる
赤ん坊を抱いた母親と幼女が海岸通りをかっ歩している
もの凄い迫力で小銭を要求する
先日手を出した幼女から見つめられ 思わずコインを差し出してしまったほど
上から眺めていると 母親の後を嬉しそうに飛び跳ねながら歩いている幼女
下界に降りてきたのが 楽しくてしょうがないといった感じ
サバンで最も歴史のあるレストラン 「タマリンド」 良い香りの草が添えられていた
ダイビングの用意をしている大人達の脇で 女の子が海中で遊んでいる
キューピー人形を 想い出してしまった
父親が白人かと思って聞いたらフィリピン人のダイバーインストラクターだった
キューピーちゃんの登場 まわりがパアーッと明るくなる
打ち寄せる波の音を聞きながら 眺める景色
ひとつだけ 気に入らないことが
船着場から 船のエンジンの排気ガスの臭いが 風に乗って 時々入ってくること
視線を下に降ろすと 幅の細い通りを行き交う人びと
いつも見ていると ここを通る人が何者なのか 一目でわかるようになる
マッサージテラピストは制服でわかる
物売りは持っている物でわかる
宿紹介のおばさんは数人しかいないから 顔を覚えてしまった
ディスコガールは 服装と顔立ちでわかる
ゲストと同居のテンポラリーハウスヘルパーは 雰囲気でわかる
宿の従業員なのか経営者なのかも雰囲気でわかる
建設労働者も身なりと若さでわかる
自分が通りを歩く時は その反対で 人びとから突き刺さるような視線を浴びる
こいつは何人か 誰と住んでいるのか どこに行くのか
何をしてきたのか 何を買ってきたのか
それは それは すべてお見通しなのです
サバンのメインロード 一番人通りが多い サバン十字路
夕方 ここに立っていると ディスコガールの出勤風景が眺められる
ボーディングハウスの同僚と連れ立って出勤する軍団
ディスコ内の営業の顔とは 違った表情
サバン在住の日本人と立ち話をしながら過す 夕刻のひと時
数年前から営業しているという 地元レストラン 「チョウポン」
一番のお勧めは チョップスイライス 100ﾍﾟｿ
4年前 近くのサバンインに 3ヶ月住んでいたのに
こんな安くて旨い店があることに 今回初めて気がついたなんて
