100年前のセブ島には 北はダナオから 南はアルガオまで
全長 96kmの 鉄道が走っていた
セブ市内で 鉄道の痕跡は完全に消滅しているが
古都カルカルには駅舎跡や鉄道の走っていた跡 石の鉄道橋が残っているらしい
それらの痕跡を求めて カルカル周辺を探索
戦前のセブで 撮影された写真
カルカル駅
鉄道と道路の交差地点
グーグルマップでカルカル周辺の衛星写真を見ると
国道と平行して鉄道の走っていた跡が判る
鉄道跡はプラザの外側をグルリと囲んで 駅はその中心にあったと思われる
駅跡を求めて彷徨った挙句 近くのバランガイオフィスに駆け込んだ
一番年配の人が出てきて オフィスの目の前にある駅跡に連れて行ってくれた
駅舎の土台 鉄筋とコンクリートだけが残っていた
辺りは ブロック塀で囲まれた更地が広がるばかり
70年前の カルカルアカデミー2年生のクラス写真
駅近くの カルカルアカデミーにも寄って見た
日本から見学に来たと言うと 責任者がいないので明日又来てくれと言う
個人の趣味で写真を撮らせてもらうだけだからと食い下がって OKをもらう
どうやら 団体で日本人見学ツアー客が来たと勘違いしたようだ
現在も4年制の私学高校として受け継いでいる
1階は学生食堂
ところどころ さすがに歴史を感じさせる造り
フィリピン伝統のおやつ ココナッツミルクを使った蒸しパン ビビンカ(Bibingkang)
焼きたてをその場で食べる むっちりとした食感と素朴な味わい 1個5ペソ
200m先に泉が 行って見よう バイクは小回りが効いて探訪には最適
「 飲めるの? 」 「 飲め 」 と言われて 素直に飲んだ
「 泳ぎたい! 」 「 早く脱いで一緒に泳げ 」 と言う
カルカル以南の国道からは 海岸が近い
脇道の行き止まりは海 海を見ようと 個人の敷地内に入り込む
住人と目が合い 一言断ると
2年間 ドバイの建設現場に出稼ぎに行った34歳のジュンさんが 話しかけて来た
昔の鉄道跡を探していると話すと 何と言う偶然でありましょうか
隣の敷地に戦争中に日本人が作った 鉄道見張り台があると言う
うーん 日本軍が作ったにしては お粗末な造りだが
鉄道跡も案内してくれる と言う 好意に甘えた
椰子林の中 連なる線路の跡だと言う
不自然な土手が続いている
地区境界表示のマイルストーンが 残っていた
石の橋も残っている ジュンさん 疑ってごめん
確かに鉄道が この上を走っていた
帰り道 近所の知り合いマリアンさんに コーラでも飲んで行きませんかと招かれた
庭に生えているブコが飲みたいのですが と言うと 登って取ってくれた
黄色く熟した椰子の実のブコジュースは甘かった
ジュンさんより一回り上のマリアンさんは ドバイに家政婦として4年も働いた
ジュンさん アラブへの出稼ぎは もう行かないのかと聞くと
過酷な労働の割には給料が安く 現地の生活費はバカ高い中
家族に仕送りを続けるのは もうごめんだと言う
今は海沿いの家で漁師として生計を立てている
二人とも セブは怖い ここが一番 肉は健康に悪い 魚が一番ですと
また顔見世に来てと言われ 彼女とメール交換
炎天下のもと 期待以上の探訪結果に 帰り道 セブ市街も美しく見える